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迷惑をかけずに

チャイ屋以外の仕事で、人の話を聞いて文章にまとめることがある。これまで取材を通して、いろいろな生き方や考え方をしている人の話を聞いてきた。

自分の想像できる範囲はなんて小さいんだろうと思い知りながら、視野が広がっていくのはうれしい。ああこれはいいな、私はそれは違うかな、と、人から聞いたことが自分の血肉になっていく感じがある。

たくさんの話のなかでも、ど真ん中だったのが「私は人に迷惑をかけずに生きたい」と話してくれた人の言葉。なにができるわけでもないけれど、自分の仕事、やること、生きていることが人の迷惑にならないようにしたいという。その人は、オーガニックコットンの流通を仕事にしている人だった。

人のためになにかしなくちゃ、自分のやりたいことを決めなきゃ。そう焦っていた時期に聞いた言葉だから、よけいに、そうだ、としみた感じがした。

それからなにか迷ったときには、そうだそうだと思い返す大切な言葉になった。